ニセココテージ ニセココテージ ニセココテージ ニセココテージ

フリーランスと言う生き方が社会をどうかえるか?

2008年以降、アメリカではフリーランスとして生計を立てる生き方をする人が増えて来ているようです。日本でもここ最近、会社に数年勤めてから独立し、フリーランスとして生きる道を選ぶ人が少しずつ増えて来ているように感じます。フリーランスとして主流な仕事は、ライター、デザイナー、フォトグラファー、コンサルタントなどですが、今の社会の動きを見ているとフリーランスとしてやっていく事のできる仕事の幅は広がってくると私は感じています。インターネットを通して、人の繋がり方が飛躍的に進歩したので、今後、この新しい人の繋がり方が将来の仕事のスタイルを大きく変える可能性は多いにありえると思います。


フリーランサーとしての仕事のスタイルは人によって千差万別ですし、こうすればフリーランサーになれると言うマニュアルもありません。みな、独自のやり方で仕事を生み出し、クライアントを見つけています。しかし、これこそがフリーランサーとして生きて行く面白さの一つでもあり、冒険心に満ちあふれた人なら、先の見えない道でも楽しんで歩んで行くでしょう。


ポートランド市内でも平日にカフェに行くと、コーヒー片手に熱心にパソコンで作業をしている人を多く見かけます。経済が停滞し、一つの会社に勤める事に魅力を感じていないような人が、フリーランサーとして働く道を新たな可能性として感じているようです。


しかし、フリーランサーとして生計を立てていくのはやはりそれなりの覚悟がいるようで、会社勤めをするのとは違い、しっかりとした保証制度が受けられなかったり、独自で書類関係などすべての作業を行わなくてはならないのでそれなりにいろいろな壁があるようです。


しかし、このような壁があるにも関わらず、フリーランスとしての道を歩んでいる人たちのほとんどが今の仕事、生き方に満足しているようです。また、自らが仕事の決定権を下せる事、他フリーランサーと横の繋がりを持つ事で仕事の幅、可能性が広がり、個人の成長に大きく関わってくるのだと感じます。


また、人によってはフリーランサーとしてでなくてはやっていけないような仕事であったり、やりたい事をするためにはフリーランサーとしての道を選ぶ人もいると思います。例えば、アスリートはフリーランスの様なスタイルでないとやっていけないような場合もあります。私がやっているフリースキーだったりスノーボードでは、プロとしてやって行くには独自でスポンサー契約をする必要があり、その他にも独自でスクーリングを行ったり、あるいは、独自の映像プロダクションを立ち上げたりと、いろいろなスタイルでプロ活動を行っている人たちがいます。特にアメリカではここ最近、個人で映像プロダクションを立ち上げ、ネット上で配信しているグループがたくさんいます。


他にも、社会活動家などでは、なかなか大きな組織の中では自分の目指す活動ができないと感じ、フリーランサーとして独自で人脈を広げ、いろいろな組織と連携して社会問題の解決をしようと試みる人もいます。


こうした、新しい仕事のスタイルが生まれたのはインターネットなどによる人の関わり方の変化や、情報へのアクセス量が大きな要因だと思いますが、他にも、2008年の金融危機だったり、被雇用者に対する企業の対応、先が見づらくなってきている社会経済が、大きな組織に属さず、自らの力で生きて行こうと考える人を増やしているのだと思います。

また、仕事のスタイルの変化は歴史を見るとなんども起きている現象です。最近の変化では、アメリカにおいて緑の革命後、それまで家族経営だった農家がどんどん企業に追いつめられ、仕事を失った農家が都市に出てそれまで自営業だったら道から、勤める道を選ばざるをえなかったり。日本でも、戦後は商店街があり個人経営の八百屋や商店がたくさんあり、農家もたくさんありましたが、徐々に大規模なショッピングセンターやスパーが建ち始め、小規模な商店は価格競争と利便性について行けず、店じまいをするしかありませんでした。


しかし、フリーランスと言う新しい仕事スタイルが、注目され始め、個人事業者として仕事をする人の数が増え始めています。インターネットのおかげで今までは個人ではできなかったような仕事ができるようになり、場合によっては世界規模の市場が目の前にはあるので、さまざまな仕事が個人でできる時代になりました。


こうした、フリーランサーをサポートする動きとして、今アメリカ全土で広がっている”New Mutualism” 言う概念が、フリーランサーがかかえるいろいろな負担を軽減してくれているようです。このコンセプトのはいくつかのコアとなる考え方があり、一つ目にDIO(Do It Ourselves)みんなでやると言う考えで、フリーランサーとして普段は一人で活動している人たちが、時にはチームを形成して活動する事で一人ではできないような大きなプロジェクトをすることができること。また、みんなで活動することでコミュニティに利益をもたらしたり、思いを共感しあえるなど、一人で活動していては得られない利益を与えてくれます。


また、この”New Mutualism”で立ち上がるような組織の活動目的は単なる金銭的利益ではなく、地域やコミュニティの社会的利益に繋がるような活動を行うことにあります。新しい社会の持続性がこの”New Mutualism”と言うコンセプトから始まる可能性は多いにあります。


この”New Mutualism”はより有益な人の繋がりを促進し、健康的なコミュニティの形成します。

それは、人が個人的な利益の追求を辞め、よりコミュニティの社会的発展に繋がる活動を皆で行おうとする動機へと発展して行きます。


フリーランスと言う生き方は一時の流行で終わらず、新しい持続的社会の始まりを意味しているのではないでしょうか?まだまだ、フリーランサーとして生計を立てて行くのは難しいのが現状ですが、フリーランサーが活動しやすい社会システムが形成されることで、社会は多様な生き方をする人たちに満ちあふれ、より面白い社会が実現すると私は感じています。

ニセココテージボンゴ広場